こんにちは、ふなにっし~です。
2月後半にロシアがウクライナに侵攻し、戦争状態に。世界情勢が混沌としてきました。。。
世界の主要国はロシアに対して、経済制裁を行うことに決めましたが、そのなかでも最もロシアに打撃を与える制裁「SWIFT排除」を行うことに決めました。
ところでこの「SWIFT」、聞きなれない言葉ですが一体何のことで、ロシアが排除されるとどんな影響があるのでしょう。
気になったので調べてみました。
そもそもSWIFTって?
そもそもSWIFTとはどういう意味なのでしょう。
SWIFTとは
国際銀行間通信協会のこと。
Society for WorldWide Interbank Financial Telecommunicationの略称がSWIFTです。
銀行間の国際金融取引を仲介するベルギーの協同組合です。
物でも制度でもなく、組織のことなんですね。
では、このSWIFTはどのようなことをしているのでしょう。
SWIFTは具体的に資金移動を促進させるわけではありません。
送金するときに送られる金融メッセージ(情報)を安全な方法で伝送するのが役割です。
SWIFTを利用して外国送金をすると、SWIFTは加盟金融機関に対し、支払い命令を送ります。その支払い命令にもとづいて金融機関同士が持っているコルレス口座で決済されるという仕組みになっています。
ちょっと難しいですね。
銀行で外国送金をするとき、国内の振込と同じように相手先の銀行口座の情報、受取人名等々が必要ですが、外国送金の場合必ず必要になるのが「SWIFTコード」です。
これはSWIFT加盟金融機関はみんな持っています。例えば、三井住友銀行のSWIFTコードは「SMBCJPJT」です。
銀行のHPには必ず記載されていますし、海外との取引がある場合はInvoice(請求書)の支払先に記載されています。(記載されていないこともあると思います)
このSWIFTコードを送金の情報として書いておくことによって、「あの銀行からこの銀行に送金依頼があるので、決済して受取人にお金を入金してあげてね。」というメッセージを送っているのです。
金融メッセージの伝送が役割なので、SWIFTは銀行のように資金決済をしたり、精算をすることはありません。
どうしてSWIFT排除は効果的な制裁になるの?
SWIFTは世界中の金融機関が利用しています。
少し古いですが、2015年には200以上の国や地域の1万1千以上の金融機関を結んでいます。
SWIFTを利用した決済は2022年には1日約5兆ドル!日本円で575兆円にもなります。
まさに天文学的な数字ですね!
これだけ多くの金融機関が加盟しているということは、世界中の貿易の決済で使われているということです。
つまり、SWIFTがつかえなくなるということは、ロシアとなにか売買したくても、お金のやりとりができないので、現実的に貿易をすることが不可能ということです。
2012年にイランがSWIFTを排除されたときは、やはり経済活動が停滞したためGDPがマイナス4.7%もさがり、イラン経済に大きな打撃を与えました。
ロシア経済にとって大きな打撃ですが、制裁を加える諸外国も痛みを伴う制裁です。
ウクライナ侵攻が始まったころ、SWIFT制裁までは難しいのでは?という考えがあったのは、ヨーロッパの多くの国がロシアからエネルギーを輸入していたからです。
ヨーロッパの人々の生活に不可欠なエネルギーをロシアから買ったとしても、SWIFTを排除してしまえば支払うことができませんから、実質的にロシアからエネルギーを買うことができないということになります。
日本でもロシアと取引をしている企業がありますが、売買が成り立たないので業績に影響を受けることは避けられないでしょう。まさにロシアリスクですね…
SWIFTはロシア中央銀行がSWIFT排除に備えて、外貨準備を活用しないようにするなど確実な効果がでるように規制を強めているそうです。
余談です
20年以上前、銀行に勤めていたふなにっし~ですが、ちょっとだけ外国為替窓口のお手伝いをしたことがあります。
もちろん、当時からSWIFTを使った送金は主流だったのですが、送金のルートがかなり複雑で国によっては直接ではなく、いくつかの銀行を経由して送られることがあったので、いつ届くかわからないということがよくありました。たしか国によっては1週間程度はかかったような記憶があります。
全く関係ない第三国の金融機関を経由していくので、「お金が旅行してる」という感じでした。(実際には札束が輸送されているわけではないんですが(;^_^A)
7~8年前、転職した会社で海外に駐在事務所を出すことになり、定期的に経費のお金を送金することになったときも、20年前と同じような外国送金依頼書をにSWIFTコードを記載してアメリカとシンガポールに送金しましたが、その頃にはほとんど翌日着金されるようになっていました!
マレーシアだけは、規制がかかっていたので着金までに2日程度かかりましたが、規制がかかっていない国はほとんど翌日にはついていましたね。
今回、このブログを書くために調べたところ、2017年に改良型サービスを導入し、約4000の金融機関が利用しているそうです。この改良サービスなら早くて30分以内、ほとんどが24時間以内に着金できるようになったということでした。
さすが、20世紀と21世紀…どんどん進化しているんですね。ちょっと感慨深かったです。
今回はニュースに出てくるSWIFTについて書いてみました。
今はとにかく、早く平和になってウクライナの皆さんが元の生活に早く戻れることを祈っています。
平和って当たり前のものじゃないんですね。。。いろいろと考えさせられます。
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