【私の韓国留学③】延世大学韓国語学堂・長期留学

韓国留学

こんにちは、ふなにっし~です。

私の韓国留学記録、最終回は1年間の延世大学韓国語学堂です。

勉強は大変でしたが、本当に楽しい1年間でした!今はコロナ対策でオンライン授業もやっているようなので、留学してみたいけれど仕事は…という方で時間が取れる方はオンライン授業の受講でも身になる韓国語の勉強ができると思います。

私が通ったのは2017年~2018年ですが授業の雰囲気はそんなに変わらないと思いますので、検討中の方の参考になればいいなあと思います。

どうして延世に行ったのか

私は会社を辞めて、延世に留学することにしたので単純に言うと退職のタイミングと授業開始のタイミングが一番合ったのが延世だったというのが大きな理由です。

ただ、日程だけで学校を決めてしまうと、合わなかった場合転校したりといろいろ面倒なことがあるので候補を選ぶ際に慎重に検討しました。

留学を本格検討する前にソウルに一人旅に出て、いくつか大学を回って立地条件のチェックをしました、行ったのはソンギュンガン大学、漢陽大学、延世大学、高麗大学、梨花女子大学、西江大学の6校。

立地で候補から外したのはソンギュンガン大学でした。理由は山!

ソンギュンガンは韓国最古の大学と言われ、約600年の歴史がある素敵な大学なのですが、校内が登山か!?と思うほどの斜面なのです。バスは通っていますが有料なので、交通費がそれなりにかかりますし、バスが来なければ遅刻することも。この斜面を歩いて登るのはちょっと厳しいなと思って、立地確認の時点で候補から外してしまいました。(根性なしです)

高麗大学は2016年に友人が交換留学生として大学に留学していたので、校内や学校の周りを案内してもらいました。とても綺麗な学校で町も学生街という感じで好印象でしたが、卒業生のブログをいろいろ読んでいたところ、クラス分けが割とアバウトという情報がいくつか見られたので候補から外しました。建国大学のときにクラス分けアバウトで痛い目を見ていたので、クラス分けに関しては厳正にしてくれる学校を重視しました。

漢陽、延世、梨花、西江は立地面では特に問題がなかったので、授業内容と時期のチェックをしました。

語学堂は各学校でいろいろと特色があります。

会話重視の西江、文法重視の延世、どちらもまんべんなくの梨花、漢陽

留学の目的の一つに、話せるようになりたいというのがありましたので、西江はかなり迷いました。

ただ、会話できたとしても、まずは文法がわからないと話したいことが話せないのでは?と思ったのと、友人が2015年に延世の語学堂を卒業していたので、だいたいカリキュラムがわかっていたので、文法重視の延世でも話す機会がかなり多いということ判断して、延世を候補に入れました。

最終的に延世、漢陽、梨花の3つから開始時期と立地(新村付近は留学生が多いので日本からでも住居を探しやすかった)を考慮して、延世に決めました。

延世大学韓国語学堂について

延世大学は2号線の新村駅から歩いて5分ほどの場所にあります。

韓国ではSKYと呼ばれるトップ3の大学で、日本の慶應のような位置づけです。

外国人への韓国語教育では韓国で最も歴史が深く、韓国語教育の教授法を確立したといってもいいかと思います。確率した延世メソッドに従って教えていくので、どの先生に当たってもしっかりと教えてくれるようになっています。(もちろん相性や多少のあたりはずれはあると思いますが)

延世では文法重視型の授業をやっていましたが、最近は韓国語教育自体がコミュニケーション重視、会話重視になってきていますので新カリキュラムではそちらのほうにも力を入れているようです。

学校がある新村は他に西江大、隣の駅には梨花女子大、弘益大など大学が固まっているエリアなので大学生や留学生が多く、学校の周りも活気があります。

ただ、語学堂は大学の中心部から歩いて15分ほど。近道してちょっとした山を抜けていくと徒歩10分くらいところにあるので学生街の活気からはちょっと外れています。

語学堂は坂の真ん中にあるため、毎日急な坂道を上って通学し、校内にエレベーターが1つしかないので、また階段をあがるというなかなかハードな通学でした。(ソンギュンガンの山よりは急じゃない)おかげで韓国にいる間は今より体重が5キロも少なかったくらい。運動不足の心配はなかったように思います。

語学堂の近くにははっきり言ってなにもない!ですが、学内にコンビニとカフェがあり、隣接する国際寄宿舎に学食があったり、コロナ後の今も残っていれば近くに「タルギコル」という食堂とイケメンぞろいと評判のカフェがあると思います。

レベルチェックについて

入学手続きを済ませるとレベルチェックの連絡がきます。

留学生を一度大講堂に集めて、動画を見てからレベルチェックの教室に別れました。

ペーパーテストを受けたあとに、1対1の面接がありました。

建国大学の時とほぼ同じで、名前、韓国語勉強歴を話したあと、いくつか質問を受けた記憶があります。そのあとに先生からこんな話が振られました

先生:「結構話せてると思いますから、4級からでも大丈夫じゃないかと思う。4級からはどう?」

私は友達から4級の授業について聞いていたので、3級から始めたいと思っていました。

私:「話せていますか?あまり自身がありません。韓国に来たばかりで学校や韓国生活にも慣れていないので3級からスタートしたいです」

先生:「そう?4級で大丈夫だと思うけどなあ。でもそれだったら3級スタートにしようか」

そんなわけでその場で3級スタートが決まりました。

ただ、口約束でもあったので、ちゃんとクラス分け見るまではわからないなあと思っていました。2日後に学校の掲示板にクラス分けリストが貼りだされて、3級であることを確認したとき、面接時の話が決定事項なんだなとはっきりわかりました。

面接のときに、先生から具体的なレベルを申し出された場合、もうちょっとしたのクラスから始めたいと思っていたら、遠慮なくお伝えしたほうがいいです。遠慮して何もいわないと希望していないクラスに入ってしまうことがあり得ると思います。

クラスと授業について

延世の長期クラスは1~6級まで。

級が上がるごとにクラスが少しずつ減っていきます。最終的に5級は4級の半分、6級は5級の半分以下になりました。

私がいたときは3級で20クラスくらい、6級で4クラスでした。

延世の場合、中間と期末試験の平均が70点以上ないと進級できず、2回進級できないと退学になります。試験以前に出席日数が足りなくてもビザ失効になりますので退学です。この退学をする学生が毎回結構いました。中国人富裕層の学生のなかには、遊び歩きすぎて学校に半分も来ず、最後は先生に頼み込んでなんとかしてもらおうとしていましたが、当然NGで他大学に転校していました。

クラスの人数はだいたい12~13人程度。

延世の場合は完全成績順で、中間期末の平均点=成績となり英語圏、中国語圏、日本語圏ごとに1番の学生は1班というように割り振られます。そのため1班と最後の班ではレベルの差がありますから、同じ教科書で同じ文法を学ぶとしても授業内容が違います。1班の授業はレベルが高く、後ろのクラスになるごとに簡単な授業になるようで、先生方は担当される班のレベルによって授業の進め方を変えて対応しています。ちなみにレベルテストで途中参戦する学生はクラスの空きや、言語圏を考慮してだいたいのレベル感で空いているクラスに入れられているみたいです。

先生は2人、旧カリキュラムのときは中間試験が終わってから先生が変わりました。4級からは1人の先生が固定でした。なぜ2人なのかと聞いたときに、先生と言えど発音にクセやその人特有の話し方があるので、いろいろな話し方を聞き取れるように変えると聞いたことがあります。

基本的にはその日習う文法の解説、スキット音読、例文作成、先生や友達と習った文法を入れて対話を作り発表するなどの授業内容でした。

週1回は選択授業

普通の授業のほかに3級からは週に1回、選択授業がありました。

3,4級は韓国語に関すること、例えば말하기 쓰기 듣기 漢字圏以外の学生を対象にした한자など

5,6級は合同で韓国史、政治史、時事韓国語などを各自で1つ選択し授業を受けます。

このクラスで普段話さない学生と話したり、友達ができたりとなかなか面白かったです。

高級では教科書を読んで、先生の説明を聞いたあとにあなたの国ではどうしてる?など聞かれることもあったので、日本の選挙制度について話したりしました。

留学して思うのは結構日本のことを知っていないと、聞かれたときに話せない=会話のチャンスを逃してしまうということです。最低限の日本の社会の仕組みや歴史くらいは答えられるようにしていくといいのかなと思います。

大変なのは各レベルごとに出される課題と発表

普段の授業のほかに各レベルごとに課題がだされて、クラスのメンバーの前で発表があります。

今のカリキュラムでは変更されてしまったようですが、旧カリキュラムでは劇やスピーチ、新聞を読んで作ったレポートの発表、アンケート調査と発表、討論会、卒業論文がありました。

ちなみに発表のときは原稿を見てはならず、規定の時間内に収めることが鉄則です。発表の長さは長すぎても短すぎても減点対象になります。書きあげた後に携帯のタイマーで時間を計りながら声に出して何度も読んで暗記と量の調整をしました。

3級では3分間スピーチや二人一組の対話劇を作るくらいなのですが、(それもいろいろ条件があって大変でした)4級の新聞発表では新聞の中から社会性のある記事を選んで要約と自分なりの考察をかかなければならず、事前に取り組む記事がこれでいいか先生にOKを貰う必要がありました。ですがなかなか先生の許可が下りず、いくつも候補を出しては却下されてしまい、レポートを書くよりも先生にOKを貰えないことがストレスになったこともありました。

卒業論文はA4用紙7枚以上でレポートレベルの量ですが、論文形式に目次、序論、本文、結論で書くように決められていて、事前に内容をパワポとともにクラスで発表しなければなりません。その際に先生が論文形式にうまくまとめられていない学生に指導するという、普通の大学のゼミのようななかなかレベルの高いことをやっていました。

中間、期末試験の点数にこのレポートや発表の評価が加わった成績で進級が決まるので、毎学期必死でしたが、課題をクリアするためには読む、書く、話すをどうしてもやらなければならなかったので、特に会話重視の学校じゃなくても、会話力はついたように思います。

本当に睡眠時間を削ってやっていたので、落第して学費が2重にかかるということよりも同じことを2回やりたくない!という思いで必死でやっていたのを思い出します。

文化授業と卒業旅行

いまはコロナの影響で実施されていないと思いますが、各級で文化授業と言われる体験授業と、6級で卒業旅行がありました。

3級では伝統音楽体験授業、4級ではソウル歴史博物館見学、5級では韓服体験と伝統茶道体験、6級の卒業旅行は江原道(束草・ソラク山)に行きました。

この日はもちろん授業なし。あとでレポート提出もないのでみんな羽を伸ばせたと思います。

もちろんさぼる人もいましたが、出席日数にカウントされるので要注意です。

旅行ではクラスごとに夕飯の調達をするので、途中でマートに寄って、お金を出し合っていろいろ買い込みます。ペンションはキッチンつきなので料理するクラスあり、ピザや既製品で済ませるクラスありいろいろです。もちろん外国人同士なので韓国語で相談をして決めるのでこれも会話の勉強になります。

ちなみに私のクラスは会話が一番できる在米韓国人の子に事前にマートにピザを注文してもらい、ピザパーティにしました。

延世はこんな人に向いている

いかがでしたか?延世大学韓国語学堂のカリキュラムや雰囲気について伝わったでしょうか?

私が延世に通って思ったのはこの学校は

  • しっかりと徹底的に韓国語を学びたい人
  • このあと韓国での進学を考えている人

にはとても向いていると思います。

延世の場合は語学堂卒業後に韓国の大学や大学院に進学する学生が多く、それ以外の学生は4級で辞めてしまうケースも多いのですが、もし卒業後の進学を考えているとしたら書くことも徹底的にやりこむ延世はおススメです。

私はこのあと、韓国の大学の通信制で日本からオンラインで学びましたが、延世でレポートを書いていなかったら乗り切れなかったと思います。

また、延世大の留学生枠で進学を考えている場合は、成績優秀、品行方正の学生の場合、語学堂の先生から大学への推薦もあるようです。

最近は韓国の大学への留学もずいぶん増えてきました。事前に語学堂に通っていれば周りの学生から大学受験についての情報も得られますし、大学で使える韓国語もある程度学ぶことができるので、お金と時間は余分にかかってしまいますが、日本から直接大学留学するよりは有利になるのではないかな?と思いました。ぜひ参考にして検討してみてください。

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