早いもので今年も残り1カ月半となりました。
年末に向けて、投資家がやらねばならないのは税金対策!
含み損を出している銘柄を売却する「損出し」で支払った税金を戻す手続きをするのですが、長期優待のある銘柄は長期枠が外れてしまうのが考えもの。
そこで、今年は信用取引を利用した「損出しクロス取引」に初挑戦してみました。
まずは損出しのおさらい
まずは損出しとはなにか。おさらいしてみましょう。
① 含み損になっている銘柄を一度売却
② 売却した翌営業日以降に売却価格より低い価格で買い戻す
この行為をすることによって、一度利確して支払っている税金と含み損分の損益通算を行い、その分が戻ってくるというのが損出しです。
損出しのポイントは
。特定口座であること
(NISA口座はもともと非課税なので、損益通算対象外)
・損出しをする年に利益があって、税金は発生していること
(税金が発生していなければ、損出ししても通算するべき税金がないから意味がない)
今年中の節税という点では損出しは有益な処理ですが、一つ気になるのは株主優待のこと。
損出しは一度売却してしまうため、株主番号が消えてしまうことがあり、長期優待がある銘柄の場合はそれまで積み重ねた年月が消えてしまいます。
今回やってみたのはこの長期優待を保持したまま、節税処理ができる「優待クロス取引」です。
損出しクロス取引は信用取引を利用
支払った税金を戻してもらうためには、損益通算すなわち含み損銘柄を一旦売却することが必要です。
売却するんだけれど、同じ日に同じ銘柄を買っておけば株主番号は変わりません。
ただし、同じ日に現物で購入した場合、取得単価が売却した価格と購入した価格の平均価格になってしまいます。
取得単価がさがらないと、あまり損出し効果はないような気がします。
じゃあ、どうしたらいいか!
ここは信用取引を利用します。
信用取引というのは、証券会社に担保として現金や株式を預けて、資金や株式を借りて株式売買する取引で担保の約3.3倍までの株式取引が可能です。担保の範囲内で取引を行うことができるため、少ない手元資金で大きな額の取引をすることができます。大きな収益が出せる期待がある一方で金利等が発生したり、相場の変動によっては大きな損失を被ることがあります。
信用取引は事前に証券会社で手続きをしないと利用できませんので、あらかじめ手続きをしておきましょう。
損出しクロスの手順はこちらです。
①現物株を損切り
②信用取引で同じ株を購入
ここまで(①と②)は必ず同じ日に行います
③次の日(翌営業日)に信用買いした株②を現引きして現物株にする
①と②を同じ日に行っているため、株主番号は変わりません。つまり長期優待が確保できます。
SBI証券の画面で実際の取引を説明
投資歴10年以上にして、初めて信用取引を利用して損出しクロスをやってみました
担保を利用して株を買うなんてドキドキ、大緊張のなか取引をしましたので、これから初めて行う方の緊張が少しでもほどけたらいいな~と思い、SBI証券の画面を共有します。
(私の取引がSBI証券なので、SBIのアプリ画面の共有になります。他の証券会社の方はゴメンナサイ)
【4927】ポーラ・オルビスHDの損出しクロスを行いました(3年以上保有してもプラスにならず…一番高いところで購入しました😢)
①現物取引で売り注文を出す
②同じ日に信用取引で同じ株を買う
約定すると「口座管理」の「信用建玉」に反映します。
1日目はここまで。
①と②は同じ日にやらないと株主番号が変わってしまうことがあるので絶対に同日に行ってください。
③次の日(翌営業日)に信用買いした株②を現引きして現物株にします。
「信用取引」の「現引」を選択します
現引きする銘柄を選択します。(ここでは1銘柄しかありません)
「現引(注文入力)」画面でパスワードをいれて、取引終了
今回かかった経費はこちらでした。
これで長期優待を確保したまま、損出しをすることができました。
損出し・その後
この損出しクロスは中間決算があった9月にちょうど日本株全体が下がり気味だったタイミングで実施しました。
このあと、損出しクロスの甲斐あってしばらく含み益が発生していたのですが、決算跨ぎをした後また株価が下がってきて含み損になってしまいました。
せっかくドキドキしながら損出ししたんですけどね…(涙)
とは言え、損出しクロスを行う前に比べたら含み損の金額も雲泥の差。可愛いもんなので上がるまで持ち続けるつもりです。
もちろんポーラ・オルビスの決算短信も確認済です。
個人的には中国依存が気になるところではありますが、オルビスのヘアミルクやオルビスユーというヒット商品も出していますし、優待品を実際に使ってみて安価でいい商品だなと思うので、優待と配当がある限り持ち続けて様子を見るつもりです。
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